九州あご文化推進委員会

"面白くてためになる"あごの基礎知識とちょっとしたトリビア

空を舞う魚、
その捕まえ方
〜屋久島編〜

海面をたたく音で驚かせてゲットする

あごは、海中から飛び出し、翼のような胸びれを広げ、海面を滑るように滑空します。ときにその飛行距離は600mにも達すると言われていますが、そのユニークな行動の理由は、捕食者などの危険から逃れるためのものなのだそうです。

トビウオの漁法には、「曳き網漁」や「刺し網漁」、「定置網漁」など多くのものがありますが、今回はトビウオの漁獲量日本一を誇る屋久島の漁法をご紹介します。屋久島で最も漁の盛んな安房港では、「ロープ曳き漁」により漁を行っています。「ロープ曳き漁」は、2隻の船で網を引いて魚の群れを囲い込んでいくというもの。あごは表層を遊泳する魚のため、魚群探知機には映りません。漁師たちは海面を見つめ、船の接近に驚いて飛び出すあごの数からその群れの大きさを予測し、群れの動きや風向き、潮の流れを見極めて網を入れます。網は幅300m、その両端に600mのロープがつながっている全長1500mにもなる大仕掛けです。船が走ると、この長いロープから垂れ下がる短冊状のテープが海面をたたき、あごを驚かせ、群れを集めていきます。30分ほどで網あげとなるのですが、広げていた網を閉じるように巻きあげていった最後、漁師の一人が海に飛び込みます。漁師は、あごが飛んで網の外に逃げてしまわないように、網の内側のほうに追い込んでいきます。そして網がきゅっと狭まると同時に、海面に銀色の水しぶきがあがります。一度の漁には、一時間ほど要します。

参考文献:『さくらじまの海 第15巻p7』(いおワールド かごしま水族館)

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イラスト:九州あご文化推進委員会
九州あご文化推進委員会
九州あご文化推進委員会メンバー。
焼きあごを使ったさまざまな食品の開発を手がけるかたわら、あご料理の研究に励んでいる。